建物のこだわり

*建物
昭和54年(1979年)に一般の雪国の家庭として建てられたもので、屋根には「セイガイづくり」、外壁には「簓子下見(ささらこしたみ)」など、環境や風土に根ざした日本伝統の木造建築の技術を生かした建物となっています。

屋根の構造

「セイガイづくり」という豪雪地帯特有の構造を生かしました。
出し桁造りともいい、壁の外まで出した腕木に桁を組み軒屋根を張った造りで、雪や融雪から外壁を守るとともに雪の重みに耐えられる構造となっています。

 

外壁の仕上げ

「簓子下見(ささらこしたみ)」という旧武家屋敷などにも利用されている外壁様式を用いています。
下見とは横板を羽重ねにして張る方法で、簓子とは下見を押さえるように縦に張る材です。この簓子には羽重ねになった下見板に合わせて板の枚数分一段ずつ手作業で欠き込みが施されており、職人の技と手間を要する作業です。外壁として仕上がりが美しいだけでなく、湿気から建物を守るという日本建築の知恵が詰まっています。

 

土間の仕上げ

コミュニケーションスペースとしても活用いただける一階の土間には「菰(コモ)仕上げ」という手法を使っています。
雪国ではよく見かける松の木の冬支度として幹に巻く菰(コモ)。土間の床をこの菰を使って掃くことで、素朴で自然な模様をあしらいました。

 

木のこだわり

地元岡沢地域の木材をふんだんに活用しました。また雪曲がり杉という杉材を主体として使用しています。
雪曲り杉は、豪雪地帯の特有の根本が雪に押され太く曲がってから、真っ直ぐに育った杉です。自然が生み出した美しい曲線もお楽しみください。